ヨーロッパブランドのサステナブル素材の取り組み

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2021-06-16 00:00:00

ちょうど、「ハンロ」がオーガニックコットンを使用したシリーズを発売、というニュースが届いたので、今回は3つのヨーロッパブランドのサステナブル素材使用についてご紹介します。

「ハンロ」は1884年にスイスのリースタール(Liestal)で設立されたブランド。135年以上にわたり、上質素材の下着を作り続け、現在は約50カ国で販売されています。
その「ハンロ」が2022年春夏コレクションで、サステナブルかつプレミアムなコットンとして、オーガニックコットンシリーズとSupreme Green cotton®シリーズを発売すると発表しました。
オーガニックコットンはご存知のように、化学肥料や農薬を使用せずに栽培されたコットンのこと。「ハンロ」の使用するオーガニックコットンはさらに、GMOフリー(遺伝子組み替え作物不使用)で、従来の綿の半分の水しか使用していないとのこと。
Supreme Green cotton®は、ギリシャの家族経営の綿花農場で栽培されており、GMOフリーで、“Modern drip irrigation methods”という栽培方法で水消費量が通常の綿花栽培より40%少ないそうです。
昨年1月に開催された「パリ国際ランジェリー展」で、ハンロの社長にサステナビリティに対する取り組みをお聞きしたところ「お客様に十分満足して頂ける品質の商品を作ることが第一。その上で環境にできるだけ負荷を与えないコットンは何か模索している」とお話しされていました。今回の新コレクションは、その答えなのですね!

2つ目は、フランスブランドの「オーバドゥ」。
こちらも1875年に医師によって設立された医療用コルセットメーカーにルーツを持つ、フランスを代表する老舗ブランドです。
その「オーバドゥ」は2021年秋冬コレクションで、100%リサイクル素材のチュールエンブロイダリーレースを使用した「ソフテッセンス(SOFTESSENCE)」コレクションを発売します。
SOFTESSENCEとはSOFT(柔らかい)とESSENCE(粋、本質)を組み合わせた造語。その名には「セクシーでありながら、快適でエコフレンドリー」の意味が込められています。とても柔らかなレースで、ベルベット風のフラワーモチーフのリサイクルレースは、「オーバドゥ」らしい色香を感じます。

そして、3つ目はオーストリアブランド「ウォルフォード」。
「ウォルフォード」は1950年にオーストリアのブレゲンツで設立されたブランド。レッグウエアブランドとして知られていますが、現在は下着やアクティブウエアなど高品質のスキンウエアを幅広く展開しています。
昨年12月、サザビーリーグが日本における独占販売契約を締結して話題になりましたね。
「ウォルフォード」はサステナブルについての取り組みを積極的に行なっていて、ストッキング製造業者として2015年にブルーサイン®システムパートナー(*1)に認められました。
さらに2019年にはアパレル業界で初となる、環境基準に適合した製品に与えられるCradle to Cradle Certified™(以下、C2C)(*2)認証の、「生分解性」と「技術的にリサイクル可能」のカテゴリーでゴールド認証を取得しています。
「ウォルフォード」は今後、2025年までに製品の50%をC2C製品にすることを目標としています。
*1 ブルーサイン®……繊維業界において環境、労働、消費者の観点における持続可能なサプライチェーンを経た製品に付加される認証のこと。https://www.bluesign.com/
*2  Cradle to Cradle Certified™……Cradle to Cradleプロダクツ・イノベーション・インスティテュートが発行する認証。認証を受けるために、製品は5つの持続可能性カテゴリーにわたって評価される。https://www.c2ccertified.org

もちろん、他にもオーカニックコットンやリサイクルファブリック、サステナブル素材などを使っているブランドはたくさんありますが、この3つのブランドに共通しているのは、ブランドの美学を貫くことを大前提とし、その美学を表現するツールとしてサステナブル素材を取り入れているところ。
これからも、そんなブランドの取り組みを紹介していきたいと思います。