若きランジェリーデザイナーが手掛ける3つのブランドの受注会へ

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2021-05-07 00:00:00

#STAY HOMEのゴールデンウイーク前、若きランジェリーデザインナーが手掛ける3つのブランドのポップアップストア・受注会にお邪魔してきました。

フェミニズムに対するメッセージを発信する「IMASA(イマサ)」
まずは昨年秋にデビューしたばかりのブランド「IMASA」の新作受注会。
デザイナーのAsamiさんは、エスモードジャポンでファッションを学び、国内下着メーカーで経験を積んだ後に独立。「IMASA」をスタートさせました。
ブランドコンセプトは「A-Romantic」。
「官能的でロマンティック、 そこにヴィンテージの1点ものの様な背景を持ち、愛嬌のあるウェアーを提供します。 ランジェリー=下着という概念にとらわれない 自由で遊び心をもったスタイルで乙女心を刺激します。」とあります。
スキンカラーを中心とする今回発表されたコレクションは「Voice out for our future」。
「フェミニズムをベースとし、性差の解消、女性である事に誇りを持てるようなメッセージが込められたアイテムを作りました」という通り、ボディスーツやサスペンダー付きのトップスには、個人差があるバストトップの形、自らの体を鏡で見ている姿、並んだピル、そしてAsamiさんが伝えたい英文メッセージなどがプリントされていました。
一目見ただけでは「?」と思うイラストやメッセージ。それを見て「これ何?何て書いてあるの?」そんな会話が、性差やフェミニズムについて考え、語り合うきっかけになってほしいとAsamiさんは話していました。
AsamiさんはZ世代。同じジェネレーションでも、考え方は様々だと思いますが、やはり多様性についての意識が高い世代なのだと感じました。

ジャケットにインしてスタイリッシュに着こなす「pipi_ttaphan(ピピッタパン)」
次は「自然体でいることの美しさや心地よさを楽しむスタイリッシュランジェリー」をコンセプトとする「pipi_ttaphan」のポップアップショップ。
会場は、窓から見える街路樹の新緑とカラフルなランジェリーが美しく調和した空間でした。
新作として今回発表されていたのは、このバンドゥスタイルの「レイヤードブラ」。
同じデザインでメッシュ素材を使ったスタイルもあり、デザイナーさんはテーラードジャケットの下に着て、メッシュを胸元から覗かせていて、とてもステキでした。
スタイリッシュなノンワイヤーブラが得意なブランドですが、モダールを使った肌着「Skin」シリーズも展開していて、下着専門店でも定番商品として人気なのだそう。
おしゃれなデザインだけでなく、リペアサービスもしっかりやるなど、お客様への丁寧な対応を行なっていることもファンを増やしている理由の一つのようです。

上村松園の「夕暮れ」にインスパイアされた「Albâge(アルバージェ)」
最後は2016年にデビューし、今年2月には渋谷PARCOにショップがオープンした「Albâge」。今回の先行予約会も同店の一角で行われました(緊急事態宣言中は休業)。
2021年春夏のコレクションテーマは「Deep Breathing」(深呼吸)。
明治時代に生まれ、女性の目を通して「美人画」を多く残した画家であり、女性として初めて文化勲章を受賞した、上村松園の「夕暮れ」が今回のインスパイアソースだそうです。
案内の中には「“今”を生きる女性たちに寄り添い、息抜きを促し、深呼吸して、ワタシらしさを解放してほしい。そんな思いから、コレクション名を『Deep Breathing』と名付けました」とありました。
「アルバージェ」はランジェリーと性教育をつなげていくための「Lingerie for Education」プロジェクトもスタートさせていて、今年3月には、そのプロジェクト第1弾として、東京善意銀行を通じて都内の児童養護施設などに吸水ショーツを50枚寄贈しています。
今後も続くその活動にも大いに注目が集まります。

こうして気鋭のブランドを見て、デザイナーさんたちと話して思うのが、それぞれがフェミニズムについて考え、それぞれのスタイルで発信していること。ランジェリーとフェミニズムは密接に関係していますから当たり前かもしれませんが、一人一人がそれに向き合い、意見を持ち発信する時代なのだと実感します。