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今シーズン注目のピックアップ
2022春夏の話題をレポート「フェムテック」市場

幅広い選択肢で女性のエンパワーメントを応援する

武田尚子(ジャーナリスト)
 

コロナ禍が時代の変化を加速させ、社会の動きを反映した新しいキーワードがいくつも生まれていますが、その中でも最近話題になっているのが「フェムテック」です。
SDGsの5つめの目標である「ジェンダー平等の実現」(女性支援)、行政による「生理の貧困」対策はもとより、新たなビジネスチャンスとして注目され、従来の業界や業種の枠組みを超えた取り組みが進んでいるのです。

生理用吸水ショーツがリード役

「フェムテック」とは、女性(Female)とテクノロジー(Technology)を組み合わせた造語で、女性特有の性や健康の問題をテクノロジーによって解決する製品やサービスを指します。
この動きのリード役ともいえるのが生理用吸水ショーツで、若手起業家から大手メーカー企業まで、今では多くの参入が見られます。従来のサニタリーショーツと異なり、ナプキン不要を特長とするもので、このハイテク機能は尿漏れにも活用できるため、幅広い年代への広がりが期待されています。
また、使い捨てナプキンを使わないことから環境にもやさしいということで、「フェムテック」の象徴的なアイテムとして話題になっているのです。
エコフレンドリーといえば、布ナプキンという選択肢もありますが、それとはまた別の選択肢が増えたといえるでしょう。

合同展には幅広い業種が集結

ビジネスの盛り上がりを反映して、「フェムテックジャパン」という合同展も開催されています。この 3 月には、昨年の 2021 年 10 月に次いで 2 回目が開催されました。
アニヴェルセル表参道の 2 層を使った会場には、生理から妊活、乳がんも含めた女性のセルフケア関連を中に、ショーツやブラジャーなどのインナーウエア類から、美容器具やコスメにサプリ、さらにはアプリやイベントといった情報分野まで、実に幅広い業種が終結し、ビジネス関係者や一般ユーザーの来場でにぎわっていました。美容サロンの有望分野という側面も強く、特に「デリケートゾーン」ケアは男性や介護ケアに至る広がりをはらんでいます。
多様な出展者から共通して聞かれたのは、この1、2 年で需要が急速に高まっているということ。メディアでの紹介や各種イベントをはじめ、都市型主要百貨店がポップアップを積極的に開催するようになり、中には固定売場を作る店も登場するようになったという背景が大きく影響しているようです。
このような新しい動きは、Z 世代といわれる若い人たちをターゲットにしているかのようにも思われますが、更年期や高齢期に至るまでの、まさに女性の一生に寄り添うもので、まさに女性のエンパワーメントを支えるもの。
女性が従来のジェンダーから解放され、その力を発揮して社会で活躍し、自信をもって自分らしく生きていくことを応援するものです。
その根本には「多様性」を受け入れるという思想があることはいうまでもありません。
武田尚子(たけだ なおこ)
ジャーナリスト。ボディファッション業界専門誌記者を経て、1988年にフリーランスとして独立。 ファッション・ライフスタイルのトータルな視野の中で、インナーウエアの国内外の動向を見続けている。 世界のインナーウエアトレンドの発信拠点「パリ国際ランジェリー展」の取材を1987年から始め、 年2回の定期的な海外取材は30年以上に及ぶ。
2021年3月、家で着るアパレル(ナイトウエア&ラウンジウエア)の変遷をたどった『もう一つの衣服、ホームウエア』(みすず書房)を発刊。



 
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